機械は半永久的に使用できるものではなく、整備が必要です。
この記事では、なぜ整備を行うのかを解説します。
また、メンテナンスの種類や整備時におさえるべき点もご紹介。
整備の重要性やどのようなメンテナンスを行うのか気になる方は、ぜひご一読ください。
機械を整備する4つの目的
機械の整備(メンテナンス)は必要であることは、漠然と理解している方は多いのではないでしょうか。
しかし、普段から工作機械などに触れていないと、具体的なメンテナンスの目的はイメージしにくいかもしれません。
そこで、この章では機械をメンテナンスする目的について詳しく解説します。
まず、機械えをメンテナンスする目的は次の4つです。
1.耐用年数を延ばす
2.生産コスト増大を防ぐ
3.稼働率を保つ
4.事故の発生を防ぐ
次から具体的に見てみましょう。
1.耐用年数を延ばす
定期的なメンテナンスは、耐用年数を延ばすために欠かせません。
機械をメンテナンスせずに使用し続ければ、摩耗などによって部品などが劣化し、稼働スピードが低下するなどの不具合が生じます。
最悪の場合は機械そのものが故障して生産そのものができなくなる恐れも。
そうなる前にメンテナンスを行って不具合などを早期に発見すれば、機械の耐用年数を延ばせるでしょう。
2.生産コスト増大を防ぐ
メンテナンスには費用がかかりますが、必要な時期に整備を行えば、結果的にコストをおさえられるでしょう。
例えば、メンテナンスを怠った結果、機械に不具合が生じると品質が落ち、生産し直さなければならず工数が増え、余計な材料費や光熱費、人件費などがかさんでしまいます。
また、機械が故障した場合は、生産ラインをストップしなければならず、生産計画に遅れが生じることもあり得ます。
生産コストが増加するのを防ぐには、メンテナンスが不可欠です。
3.稼働率を保つ
前述したように適切な時期にメンテナンスを行えば、機械の不具合や故障によって不良品が発生したり、生産が止まってしまうという事態を防げ、稼働率を保てます。
4.事故の発生を防ぐ
メンテナンスは、事故の発生を防ぐためにも重要です。
工場で従業員が安全に作業をするには、機械に不具合がなく、正常に稼働していなければなりません。
メンテナンスが不十分だと、突然の機械の故障などによって事故が発生するリスクがあります。
事故によっては生産が止まるだけでなく、従業員にも被害が及ぶかもしれません。
従業員の安全を守るためにも、機械の整備は不可欠なのです。
機械のメンテナンスの種類3つ
機械には、次のように3つの種類があります。
1.定期メンテナンス
2.予防メンテナンス
3.事故メンテナンス
上記それぞれのメンテナンスは、どのようなときに実施するのでしょうか。
1.定期メンテナンス
定期メンテナンスとは、事前に立てられた計画に基づいて整備を行うことで、主に次のような作業を行います。
・動作点検
・不良箇所の修理
機械によっては定期的な動作点検を義務付けられていますし、メーカーがメンテナンスが必要な時期に整備をしてくれる場合もあります。
適切なペースで定期メンテナンスを行えば、早期に不具合や劣化を発見でき、手を打てるでしょう。
2.予防メンテナンス
機械に異常が見られたときに点検や整備、修理を行うのが予防メンテナンスです。
機械に何らかの異常が生じても、故障していないというケースは少なくありません。
故障してしまう前に対応できるので、事故や生産性を落とすといった事態を防げます。
3.事後メンテナンス
機械が故障してしまった場合、修理をして終わりではなく、必ず点検も行います。
この修理や点検のことを事後メンテナンスといいます。
事後メンテナンスは、定期・予防メンテナンスよりも大掛かりな修理や整備、点検となることが多く、場合によっては生産がストップすることもあるでしょう。
そのため、事後メンテナンスは避けたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、再発防止のために非常に重要なメンテナンスです。
機械を整備する際におさえたいポイント3つ
機械はただ単に整備すれば良いものではなく、次のポイントに留意して行います。
1.スピード
2.再発防止
3.新たな機械の導入
どのような点に留意しているのか、次から具体的に解説します。
1.スピード
メンテナンスで重要なのがスピード感です。
整備をしている間は、必然的にその機械は使えません。
特に、予防メンテナンスや事後メンテナンスは機械が何らかの異常がある、または故障している状態なので、一刻も早く正常に稼働できるよう、整備したいのではないでしょうか。
そのため、整備はスピード感が重要です。
整備の時間を短縮するために、機械の知識や不具合が生じたときの体制を従業員に共有するなど、対策を講じると良いでしょう。
2.再発防止
事後メンテナンスなどで修理が必要になった場合は、トラブルの原因を探り、同じ原因で不具合が生じることがないよう、改善することが重要です。
同じ故障が起きないよう改善することで、稼働率を保てるでしょう。
また、トラブル発生時のフローなどは工場で決められていますが、定期的に見直すのもおすすめです。
見直してみると、
・不具合発生時の報告フローが効率が悪い
・一部の機械が代替機を確保できていなかった
…などの課題をあぶり出せるかもしれません。
3.新たな機械の導入
定期的に整備をしていても古い機械で耐用年数が大幅に過ぎていれば、新たな機械に交換したほうが良いかもしれません。
機械が古く頻繁に整備や修理が必要になると、その分コストがかさむでしょう。
思い切って新たな機械を導入したほうが総コストをおさえられる可能性があります。
まとめ
機械の整備は、性産業においては非常に重要であることが理解できたのではないでしょうか。
機械を長く使用し稼働率を下げず、事故の発生を防ぐには、定期的な整備が必要不可欠です。
また、定期・予防・事後と適切な時期に適した整備を行うことも重要。
自社の機械の整備をしていないという方や、適切なメンテナンス時期がわからないという方は、一度機械の修理工場などに相談してみてはいかがでしょうか。